第4章  宿 題

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第4章  宿 題

正直、彼女の慌てぶりに助けられた。 そして、 甘かったな……。 あの時の自分の狼狽えぶりを思い出すと、あまりの恥ずかしさに 腹が立ってくる。 事実、彼女があんな風にあからさまな動揺を見せなければ、 自分は、どんな失態を晒していたか分かったものではなかった。 だがそれは、この仕事を請け負った時点で当たり前に予想のついた事だった。 それなのに、「事前の俺たちだけの打合せ」という友人の言葉に、 なぜか彼と二人だけだと思い込んでいた。 だが――。 くそっ……。 忍は、自分の楽観思考に思わず舌打ちをする。
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