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「えっ? 一人で?」
しかし、「すごいわねぇ」というハナさんの視線の先を追った那々は、
そのすごい人の姿に、思わずギョッと目を剥いた。
うそ……。
どうやら荷物の運び込みは全て終わったのか、
引越し業者の一人と談笑をしながら見送りに出てきた男は、
なんと昨夜の二人のうちの一人。
あの、女好きがしそうなほうではないか。
しかし、驚いた向こう側で、
まぁ、クマゴロウじゃあ無理か。
変な納得が、那々の中でもっともらしく頷く。
そして、少し先の女好きしそうな面立ちの笑顔を見詰めながら
那々は、思わず小さく呟いた。
それにしても、いったい何者……?
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