第2章  那々(続き)

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「えっ? 一人で?」 しかし、「すごいわねぇ」というハナさんの視線の先を追った那々は、 そのすごい人の姿に、思わずギョッと目を剥いた。 うそ……。 どうやら荷物の運び込みは全て終わったのか、 引越し業者の一人と談笑をしながら見送りに出てきた男は、 なんと昨夜の二人のうちの一人。 あの、女好きがしそうなほうではないか。 しかし、驚いた向こう側で、 まぁ、クマゴロウじゃあ無理か。 変な納得が、那々の中でもっともらしく頷く。 そして、少し先の女好きしそうな面立ちの笑顔を見詰めながら 那々は、思わず小さく呟いた。 それにしても、いったい何者……?
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