第3章  第一難は平等に

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「忍っ!」 耳に懐かしい声が不意に掛けられ、 釣られるようにそちらに顔を向けたと同時に 「久しぶり」と長い腕が忍の身に絡みついた。 一瞬、何が起こったのか分からなかった。 しかし、男としては大柄な忍を抱きしめてきたのは、更に大柄な男。 そして、絡みついていた腕を緩め 黒々と髭を生やした人懐こい笑顔を見せた彼は、 忍の顔を大きな両手ですっぽり包むと、頬に勢いよく唇を当てつけた。 「ただいま」
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