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低くジャズが流れ、外の光の入る窓際の明るさと
落ち着いた照明の明かりに包まれた店奥との
絶妙な光のコントラストが広がる店内。
昼にはまだ少し早すぎ、午前の休憩には少し遅すぎる
中途半端な時間だからだろう。
客の姿は少ない。
ここは、頭の整理をしたい時に訪れる忍の隠れ家。
そんな常連の彼の顔が扉の向こうから現れると、
いつものように、真っ白な髭の下でにこやかに笑いかけ
マスターが迎えてくれる。
忍は、マスターに小さく頭を下げると、
まるで指定席のように決まって座る奥の二人掛け席へと、まっすぐ進んだ。
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