第4章  宿題(続き)

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「いつもので宜しいですか?」 おしぼりと水を運んできたマスターが、静かに尋ねる。 お願いします。 上着を脱ぎながら答える忍に、 マスターは、いつものようにニッコリと微笑んだだけで 静かにカウンターの向こうに戻っていく。 上着のポケットから取り出したスマートフォンを机に置き、 腰を下ろした忍は、取り敢えず分厚い手帳を栞と一緒に開いてみた。 しかし、 イメージカラー。 あれやこれやと落書きが書かれてあるそのページで、 まともに仕事ととれる言葉は、この一言だけ。 そんな現実に、忍は淡くため息をもらし、 スマートフォンのボイスレコーダーを繰ってイヤホンをつける。
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