第4章  宿題(続き)

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どんなに短い打合せの時も、すれ違いや勘違いを防ぐために必ず録音をする。 この習慣が、この時ほどありがたいと思えたことはなかった。 だが、それを再生した途端、 彼女の声が彼の鼓膜を震わせ、再びドキリと胸の奥が跳ねた。 お蔭で、自然と眉間に力が入っていたらしい。 「ひと息入れてください」 マスターの深みのある声をかけられ、鼻先を香ばしい香りがかすめて 目の前に見慣れたコーヒーカップが置かれる。 上品な香りを漂わせ、ブルーマウンテンがカップの中で小さく揺れていた。 「あぁ、ありがとうございます」 淡く苦笑を返した忍の目に、マスターの微笑む顔が映った。
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