第4章  宿題(続き)

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~ * ~ 蒸し暑い。 ノロノロ歩きの台風が、どんどん巻き上げているらしい 熱帯の湿った空気の影響で、ここ数日は日に日に蒸し暑さが増している。 那々は、トーストとコーヒーの入ったマグを手に、ソファに腰を下ろした。 この日の朝は、時間も気持ちも、いつもより少しだけ余裕がある。 「明日は、お偉いさんとの顔合わせの前に こっちだけで、朝日奈とランチョンミーティングにするから」 会社持ちのランチということで、いつもの弁当作りがいらない分 ゆっくり出来ている。 もちろんそれならば、その分、朝寝をすることも可能だった。 だが、それが仇になっての遅刻が怖くて、 いつもと同じ時間に目覚ましに起こされた。
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