年下の彼女

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東野ナナの曲が流れ始め、俺は手拍子を送る。 彼女の身体が小刻みに震えだす。 遂に彼女が歌いだした。 そのとき、俺は悟った。 彼女の歌は音程がずれているどころではなく、その遥か上をいく【音痴】だった。 まるで、あのガキ大将のリサイタルを聴いている、青いたぬきとメガネの男の子達の気分とはこんな感じなのでは?!・・・と思うくらいに酷かった。 読んでる皆は、「あ~やっぱり」と想像はついただろうが 俺はまさか、こんな音痴だとは思ってなかった。 容姿端麗で、努力家で何にも完璧にみえていた彼女には、音痴という決定的な欠点があったことに。 間奏中、こちらを向いて不安そうにする彼女。 目一杯の笑顔で返す俺。 それを見て、上機嫌になる彼女の笑顔はやっぱり可愛い! だが、歌は酷すぎる。 今度、音痴を直す練習法をみつけて、さり気無く教えてあげよう。 終
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