†失いし命†

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 施設に向かって歩いていると(あれ?アリシアちゃん!?)と声がした。  アリシアが振り向くと、そこには高校生くらいの青年が一人いた。  (やっぱり、アリシアちゃんだ。一人なの?)  「あ、お兄様…。ちょうど、施設に戻ろうと…。お父さんとお母さんに逢ってきたんです…」  (そっか…今日だったね…。よし、じゃあ一緒に帰ろうか?)  「でも、何か予定があったのでは…?」  (あぁ…散歩。散歩してたら、アリシアちゃんを見かけたんだ。だから大丈夫。送ってあげる…)  そう言って、青年は微笑んで手を差し出す。  なので「じゃあ…お願いします」と言い、アリシアは青年の手を笑顔で取った…。  しかし、これが間違えだったのかもしれない…………  この青年は、施設の近隣に住み、時々遊んでくれたり…勉強を教えてくれたりと優しい青年…。  アリシアにとって青年は、兄のような存在であることから(お兄様)と呼ぶようになった…………
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