転生者と初めての戦闘

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転生者と初めての戦闘

「なに!?〝造形魔法〟も知らない!?」 武具屋に向かう最中雑談をしていたら、造形魔法の話題が出た。 エルももちろん、蓮も知らない。 当然である、記憶喪失なのだから。 『造形魔法って何?』 先ほど寄った雑貨屋で、小型のホワイトボードを買ってもらいそれで会話をしていた。 「記憶喪失って本当になんも覚えてねぇんだな…まぁ、説明すると〝造形魔法〟と〝無形魔法〟がある。まず、無形魔法が、これは一般的に現象を作る魔法だと知られてる。例えば呪文を詠唱して、魔法名を発すると、水の玉とか出たりな?これは適性属性がなきゃいけないけどな。 次に造形魔法な、これは誰もが一つ必ず持ってんだ。俺の場合はロードメイク《道造形》つって、何もない所に道を作る造形魔法だ。対価は魔力と物質だけどな!後で練習だな」 何も知らない蓮からしたら、ありがたい話である。 話してるうちに武具屋に到着した蓮一行。武具屋と書いてある暖簾を潜ると様々な武器が目に入る。 デッカい剣、長い槍、コンパクトな弓、連からしたら、そんな感想しか出てこない。 武器の名前なんて知らない、の一言である。 「クゥゥゥ、クゥゥゥ」 何かの気配を察知して、寝ていたエルは鳴き始めた。 「おっとこりゃ、エルはお目が高い…いやエルからしたら最悪か」 ガハハッと豪快に笑いながら一点を指差す、そこにはショーケースに飾られた一本のなんの変哲もない無骨な剣。 「あれは常人には普通の剣に見えるけど、竜殺しの剣っつって、初めて狩ったドラゴンを剣にして、店に飾る奴が多いんだ。竜も狩れる武器を作れるんだって意思表示だよ」 なるほど、と関心していると店の奥から店主らしき人物が出てきた。 「なんだあんたか、今日はどうした?」 出てきたのは真っ赤の髪に赤い目、気の強そうな雰囲気のお姉さんであった。 「そっちのは…見ない顔だな」 「あぁ、こいつは俺の息子だ」 ドヤ顔で言われるとちょっと恥ずかしいので、控えてもらいたい蓮であった。 「はぁぁぁ!?息子だぁぁ!?あんた嫁さんもいないのにどうやって息子を産んだのさ!?」 どうやら、ぶっ飛んだ方向に思考が飛ぶお姉さんのようだ。 『初めまして、蓮といいます』 すかさず蓮は自己紹介をする。 「こいつ喋れないからこれで勘弁してくれ」 「喋れない!?」 「後、記憶喪失」 「記憶喪失!?」
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