転生者は世界の一部を知る

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転生者は世界の一部を知る

青年は子龍を肩に乗せ歩き出した。 道無き道を歩いていくと、何もいないことに気づいた。 昆虫もいなければ動物もいない、周りを見渡してみるが、何も見当たらない。 青年はきっとこうゆう森なのだろうと勝手に納得し、歩き出した。 「キュイッキュイッ!」 突然に子龍が鳴き始めた、まるで何かを警戒するかのように。 青年は耳元で騒ぐ子竜の意図が分からず、宥めるが一向に治らない。 そこでやっと気づく、人ではない何かが木々の間から出てきたのだ。 30cmの半透明のボールみたいな生物?が出てきた。 目も鼻も口もない、ただのボールにしか見えない、青年は立ち止まり観察していると、ボールの縦横に筋が入っていき、ぱかっと割れたと思ったら結構なスピードで飛びかかってきた。 青年はびっくりして裏拳で振り払う。 パァァァァンッ ………?? その表情はなんで?と言いたげだった。 《?????のLevelが?????に上がりました》 《拳闘術をマスターしました》 ………??? 青年は更に困惑した。 肩に乗ってる子竜は、どうしたの?と言いたげだったが、きっと言っても無駄だろう所詮は子竜である。 気にしてたら先に進めないので歩いていく、もちろん街の方角などは知らない。 運が良かったことに、この森は街から歩いて半日もかからない場所にあるため、適当に下っていけば街は見えてくるのである。 さておき、歩いているとまた例のボールが現れた、今度は二匹。 こちらには気づいてない様子だ。 青年とはジェスチャーで、子龍を指差し、次にボールみたいな奴を指差した。 子竜が頷くのを確認した青年は子竜の胴体を掴むと、そのままボールへと全力投球した。 ボヨンッ 弾力で跳ね返ってきた子龍をキャッチし、駆け出す。 そして、ボールを蹴る、蹴る。 パ、パァァァンッ 《エレ・エル・ネオのLevelが1263に上がりました》 《?????のLevelが?????に上がりました》 青年は初めて子竜の名前らしきものを知り、そのレベルの高さに驚愕した。
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