血の章

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ESAの男まで数メートルの所で、レイラの背中が後方から走ってきた一体の狂鳴人に掴まれる。 大雅は咄嗟に振り向いてレイラの身体を抱きしめようとするが、狂鳴人の恐ろしい腕力に太刀打ちできない。 地面に叩き落とされたレイラの顔に狂鳴人の涎が落ちる。 その時、サトルが黒刀を振るより、大雅がショットガンを構えるより早くレイラのそばに駆け寄っていた茶色のセミロングの髪の女性が引鉄を引いた。 鼓膜を震わす程の銃声と同時にサトルと大雅の視線がその女性に注がれる。 その女性の左目には黒い眼帯が撒きつけられ、両耳には鉄製の小皿のようなモノが被されていた。 女性の持つ銃は高橋が使っていたショットマグナムと同じ形をしている。
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