5185人が本棚に入れています
本棚に追加
翔真は首を左右に振り、窓から見える景色に意識を集中する。
「わぁ、あれだよね!奈良公園!前に来た時って3歳の時なんだよね?楽しみだな!」
「フフ……お母さんも楽しみ!」
母親がそう言って柔らかい表情を翔真に向けた瞬間、向かいの座席に座って居る女子高生の会話が聞こえてくる。
「うわ……この殺人鬼まだ捕まってないんだ!」
一人の女子高生がスマートフォンを見つめながら声を上げる。
「単独犯じゃないんでしょ?女性だけで結成した殺人集団ちゃうの?」
「それならいいんやけどさ。かなり狂ってるみたいやん?見境なく男に齧りついて殺すなんて正気の沙汰じゃないって。
しかもさ……増えてるらしいよ?私、きっと海外からの変なウイルスだと思うんだよね」
最初のコメントを投稿しよう!