-クロフク- プレリュード 第七話(前編)

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 つい今し方みずからが強硬手段で脱出した上階の派手に割れたガラス窓の中、今にも一触即発の雰囲気がそれと見なくとも空気を伝わってくる。  それは殺気と殺気の生のぶつかり合いだ…!  じきにやかましい気合いとドタバタと荒くれた物音が伝わってくるのだが、するともはやそちらからは気をそらしてホッと息をつくクロだった。  とりあえず急場はしのいだものらしい。  あとはさっさとこの場を退散するのみだが、みずからが不自然な位置に不自然な体勢でいることに若干の戸惑いを覚える。
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