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淳は未来に電話をかけた。10コール鳴っても出ない。
(何で出ないんだ。前はこっちから連絡しなくたってかけてきたのに)
未来の声を聞けばわかるはずだ。
未来が好きだって。自分は女性が好きなのだと。そう思いたいのに。
本が好きなように、文房が好きなように、映画を好きなように、未来も好き。
好きだったのに。
未来がわがままを言っても許してきた。未来が楽しいならそれでいいと思ったから。
そして、自分も楽だった。未来の意見に合わせておけば、不機嫌になることは無い。
淳の意見なんてなかった。望みなんてなかった。
でも、今は切に電話にでてくれる事を願った。
彼女が好きだといつものように言ってくれれば、淳も好きだと言おう。それで安心出来る。
頼む出てくれ。
これ以上何も考えたくないと思った。
けれど、何分待っても未来からの返事は来なかった
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