第二夜 シェアハウスの同居人

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「アーーッ!!!おい魔獣!?」 「どうかしましたかご主人たま?そんな世界が滅亡しちゃったみたいな声出しちゃって?」 「おまえ、ボクのハーゲンダッツ食ったろ?」 「アイアイ。ふたつあったんで、てっきりひとつはあたしの分かと。」 「チャッカリしてるな。なんで抹茶きなこ黒蜜の方を食っちゃうんだヨォ!?」 「和栗あずきも美味しいですよん♪」 「知ってるよ!大体、どっちもボクがボクの金で買ったボクの分だ!ボクのアイスはボクの分だ!」 「シェアハウス・ファミリーに向かって、そんなガキ大将みたいな台詞やめてくださいよん。」 「何がシェアハウスだ!?勝手に居候してるクセに。」 「そりゃあ召喚された手前、地球のひとつも滅ぼさないと、おめおめ魔界には帰れませんもの★」 「そう簡単に滅ぼされてたまるか!」 「はて?じゃ何で召喚されたんでしたっけ、あたし?」 「だからァ弱い者虐めをする様な憎き連中を後悔させる呪文とかさ。」 「ひ弱な蛆虫どもを捻り潰す様な?」 「非道いな!」 「ご主人たまは蛆虫じゃないですのよ。」 「わざわざ言われなくても解ってるよ!でもどうしてだか同調しちゃうんだよ。」 「同類相憐れむってやつですねん♪♪」 「使い魔のおまえに言われたくない。しかも、♪ふたつは言い過ぎだろ。」 「ねぇねぇそろそろネイルサロンの予約があるんで、帰ってもよいですかな?」 「ちょっと待てぃ!キミ来てから何かしてくれたっけ?大体、予約してきちゃダメでしょ!?」 「だって地球滅亡なら朝飯前なのに・・・。」 「ダメダメ~!そりゃ全力で止めるよ!」 「だって魔獣にとって爪のお手入れは欠かせないんですよん。」 「怖いよ!!わかったわかった、和栗あずきも食べていいから。」 「もう食べちゃいましたもん♪」 「空っぽかよ?!ってだから味知ってたんか。健康志向はどうしたんだ!」 「ベジタリアンだってアイスは別腹ですのん★」 「知るか!さっきひとつはあたしの分とか言ってなかった?」 「でも、今食べていいって☆」 「今はね!」 「あたし6時間6分6秒先の未来まで先を見通せるんですよん♪」 「じゃ、ネイルサロン予約してくんな!」
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