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「 弥生… 何言うの… 」
「憂臣くんね、事故のあと探したんだって…
里桜を、探して転校してきたの、償いたくて。
でも、里桜に償いと同時に好きになっちゃったんだよ… だから 里桜と同じくらい苦しんでたんだよ?
じゃなかったら 里桜のそばにいられないよ!」
そんな… そんなこと……
知ってたなんて 嘘っ!!
「 嘘よ!信じない… そんなことあるわけないっ 」
「 里桜!! 待って、里桜っ 」
私は弥生の言っていることが信じられず 走り去った。
憂臣が私を綾己の恋人だと知った上で今までそばにいた。
私の心に綾己がいると知った上でプロポーズまで…
それなのに、私を愛してると言った。
綾己っ…
私はあなたをずっと思ってる…
なのに、今、私の心に憂臣といた時間が涙と一緒に溢れてくる。
憂臣の笑顔が、私を愛してると言った憂臣が心にたくさん溢れてくる。
墓地から離れ走る私は 涙で前が見えなくなっていた。
「 里桜っ 危ないっ!!」
弥生の声が聞こえた気がした。
息が切れて立ち尽くしている私には涙で滲んで何かが私に向かってくるのが見えない。
「 綾己… ごめんね… 」
目を閉じた瞬間、私の意識が限界を迎え倒れそうになった時だった。
「 里桜っ… !」
体に強い衝撃を受け、地面に倒れ転がった。
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