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この日から半年後、私は教会の扉の前にいた。
私が着ているのはブラックドレスではなく、純白のウェディングドレス。
扉を開ければ 私をずっと見守り、そばを離れず いつも私だけを見てきた憂臣がいる。
式には綾己の母親も、遺影を抱き笑顔でいて、綾己の笑顔も見守っている。
どれだけ苦しみ、悲しみ、闇を抱えてきたか…
でも、今の私にもう闇はない。
綾己を忘れず、憂臣と命日には必ず一緒に手を合わせていく。
葛藤がないわけでない…
それでも、前を向いて 綾己のためにも、憂臣のためにも、ウェディングドレスを着て歩くことを選んだ。
『 汝… 藍沢 憂臣を夫として… … 誓いますか? 』
「 はい、誓います 」
綾己…
私、綾己との時間すべてを胸に憂臣と生きて生きます。
綾己… また、会いに行くから…
今度は、笑顔で…
______________完。
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