ぼく、どざえもん

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五日目 「ここらへん、めっちゃアワビやサザエがとれるらしいんだよ。」 「でも、漁協に見つかったらヤバイぜ?これって密漁だよな?」 「平気平気。あいつらも常に見張ってるわけじゃねえから。」 「それもそうだな。」 二人の男は素もぐりでアワビやサザエを探し始めた。 「よっしゃ、ゲットー!」一人の男が、獲物をゲットし、船に上がろうとした。 「うわっ!」 下から誰かが足を引っ張った。 もう一人の男が水面に顔を出した。 「おい、お前、今、俺の足を引っ張ったろ!冗談でもやめろ!」 そう怒りをあらわにすると、もう一人の男は答えた。 「引っ張ってねえよ!」 「嘘付け!」 そう言い争っているうちに、あとで水面に上がってきた男の姿が海中に消えた。 もう一人の男は慌てた。 「どうした?」 「うッぷ。だれ・・・・かが・・。足を・・・・引っ張ってる!」 「冗談はやめろよ。」 「ちがっ!ホント!」 そのまま、男は海に沈んだ。 あわてたもう一人の男は、水中に潜って助けようとした。 「うわっ!」 男は心の中で叫んだ。 相方の男の足に、白骨化した遺体が絡み付いていた。 うわああああああ! 男は急浮上し、船にしがみついた。 相方の男の体は完全に海に引き込まれてしまった。 「た、大変だ!」 そう言いながら、慌てて船のバッグからスマホを取り出し、海上保安庁へ連絡を入れた。
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