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「おい沙神谷、今日はいくらくれるんだ?」
「も、もうお金はないよ」
迅塔-じんとう- 高等学校、そこの屋上には本編の主人公である沙神谷しゅん-さがみやしゅん-(17)とそれを数人で取り囲むその中のイジメのリーダーである華原涼真-かはらりょうま-(17)達がいた。
しゅんの身なりは指定の緑のブレザーに黄色のネクタイ、黄色のチェック柄の制服、黒縁メガネをして気が弱そうな少年。
逆に涼真の身なりは腕をまくり上げ茶髪にし、そこらにいるようなチンピラ風な少年だ。
「なんだぁ!?金を持ってこなかっただと!?」
「俺達の昼飯どうしてくれるんだぁ!?」
立て続けに涼真の子分たちがしゅんを脅す。
「そ、そんなこと言われても…」
しゅんは小さくボソリと呟く。
「いい度胸してんじゃねーか。おい、そいつ押さえとけ」
涼真の号令により子分たちはしゅんの両手を逃げられないように掴む
「やっ…やめてよ!何するんだ!」
「金を持ってこなかったのが悪いんだよ」
抵抗するしゅんを涼真が殴ろうとポキポキ手を鳴らす。
-ゴロゴロゴロゴロッ-
晴天の中雷が真上でいきなり鳴り、しゅんはもちろん、涼真や、子分たちも驚くと上を見上げた
-ゴロ…ゴロゴロッバリバリバリッ-
「「うわあぁーーーっ!!」」
なんと雷がしゅんや涼真達めがけて落ちてきた
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「…うっ」
どれぐらい時間が経ったか、涼真が目を覚ました。
「っつ…一体何があったんだ?」
頭を押さえ起き上がり涼真はあたりを見渡し呆然とした
「…な…なんだよ…これ…」
肩を震わせ涼真が見た先は空は暗く鳥のさえずりさえ無い-闇-
爽やかな空気も流れず車が行き交う音さえもなくなりまるでゴーストタウン化した街だった。
「ゆ、夢でも見てるのか!?」
そう言うと涼真はハッとして倒れている子分達を起こすがすでに息はない
「そ…んな…冗談だろ!?返事しろ!」
いくら揺すっても子分たちは目を覚ますことはなく、涼真はいじめの対象としていたしゅんの元に駆け寄り声をかけた。
「おい!起きろ!起きろよ沙神谷!」
「…う…ん…」
「!起きろ沙神谷!」
生きていたことに安堵した涼真は更に声をかけた。
「か…はら君?…一体何が起きたの?…何…っこれ…」
しゅんは涼真に起こされながら立ち上がり辺りを見渡し、幻滅した。
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