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「沙神谷!」
「!華原君!大丈夫!?」
呆然と普通のバットに戻るのを見ていたしゅんに涼真が壁をつたいよろよろ歩み寄ってきたのを見てバットをその場に落とし涼真に駆け寄り肩を貸した。
「今のは一体何だったんだ?」
「僕にもわからない。何か急に手元が熱くなったと思ったら今みたいに…」
2人はしばらくバットを眺め、涼真が沈黙を破った。
「それにしてもお前、無茶するなー!あんな奇跡なかったらお前今頃死んでるぞ?」
「そうだね。でも、友達を守って死ねるなら別に悔いはないよ」
真顔で言うしゅんに涼真はハッとして呟いた
「…俺、お前をいじめてたのにどうしてそんなふうに言うんだ?」
「言ったでしょ?“友達”だからって」
屈託のない笑顔を見て涼真は片手で自分の顔を覆い、呟いた
「…お前、なかなか根性あるな……ありがとな。助かった。あと…いじめてごめん」
「華原君…」
しゅんは恥ずかしそうに言った涼真の顔を見てニコって笑った。
「っさ、さぁ、何があるかわからないここにいても仕方ねぇ、とりあえず学校出ようぜ!」
「うん!」
涼真のいう通り学校は何が潜んでいるかわからない。しゅんは護身用にバットを拾い涼真を連れ、早々に学校を出た。
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「なっ…何だよこれ!?」
「まるで戦争だよ…ひどいっ」
学校を出るとそこは人の屍-しかばね-だらけ…どこを歩いても人人人…生きている人は一人もいない様子で2人はそれを避けながら歩く。
「くそっ…なんでこうなってんだよ!っつ…」
「!華原君!?」
涼真は傷が痛みその場に座り込んでしまった。
「こんな痛いんだから夢とかないよな?ははっ」
「…とにかくそこのベンチに座ろ?立てる?」
しゅんは涼真に肩を貸し屍が無いベンチへと涼真を座らせしゅんも座った
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