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照りつける初夏の太陽が肌に当たらない様に
小高い丘の木陰に避難したら
青いフェンスの中の向こうに
グランドが見えた
陸上部だろう
2人並んでユックリとランニングしてる
その向こうに、ゾロゾロと野球のユニホームを着た軍団が校庭の中央に集まり始める
眼下には4人の女子高生たちが
「やっ!いた、かずくん先輩だ!」
お目当ての男の子か彼氏でも見つけたのだろう
その女の子は嬉しそうにその場に座り込んだ
友達を両サイドに並ばせて
楽しそうにチラチラ彼を見ながら
時おり大きな声で可愛く笑う
「わざとらし…」
1人呟きながら、ふと思う
「気持ちは解らないでもない…か…」
瞬間
「何 一人で笑ってんのかな?
麻子さん…」
一瞬固まりつつも
「あ、はい、別に…です」
私の横にスッと現れたのは
上司である立道 香奈(たつみ かな)主任
見た目、ステキなおねえさん
言葉を口にするとオヤジ
三十路を過ぎてるらしいけど
元気過ぎる綺麗な人だ
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