第1話

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ー朝の通学ー ふと思い出したようにお兄ちゃんが問いかけてくる 「そういえば美桜」 『なに?』 「お前彼氏とはどうなったんだ」 『・・・あぁ、透?』 「そういえば最近一緒にいるとこ見ないよな」 『うん・・・その・・・』 半年付き合ってた彼氏の透とはついこの間別れたばっかり まだお兄ちゃんとか悠には言ってないけど 確かにお互い好きだった だからこそこれ以上一緒にいることができなかった 「美桜ー!慧ー!悠ー!おはよー!」 『おはよう陵』 「「朝から騒がしいな」」 「お前ら兄弟ほんっと冷たいよな俺に」 「「何か文句でも?」」 陵は私達の幼馴染みで、昔から一緒に遊ぶことが多い こうやって朝も一緒に登校することも、お兄ちゃんと弟が陵に冷たいのも日常茶飯事 「まぁ別にいいけどさ・・・。あ、そえいえば今日小テストあるだろ?美桜勉強した?」 『あぁ、でもあれプリントそのまま出てくるじゃん。そこまで勉強しなくても点数とれるでしょう?』 「そうだけど、どうせなら満点とりたいじゃん。ちょっと勉強付き合ってくんない」 「何?勉強ならお兄さんが教えてやろうかー?陵」 「えー、なんで慧に教えてもらわなきゃなんないわけ」 「だったら俺が教えてやろうか」 「なんで年下に教えてもらわなきゃなんないわけ!なー美桜ー!早く学校行こうぜー!」 そう言いながら私の手首を掴むとそのまま走り出した 『り、陵!ちょっと早いよ!』 「おいこら陵!」 「・・・チッ」
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