侵食する執着

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 蛍太を迎えに行く前に “lucieid”に 車を借りに来ると、 マネジメント部の デスクにお兄ちゃんがいた。 「おはよう、莉々」 「おはようございまーす」 兄と妹とはいえ、 ここは会社だ。 ただでさえ新参のくせに 部長(お兄ちゃんのことだ)とは 気安い態度でいるので、 ご挨拶くらいは ちゃんとすることにしてる。 お兄ちゃんは なにか難しい顔をして タブレットを 眺めているので、 話でもあるのかと いったんバッグを置いた。 「どうかしたの?」 「いや、 最近やけに蛍太が 大人しいなと思って」 「……。うん、まあ」 なんとなく不穏な 予感がして、 返事が一瞬遅れてしまう。 「蛍太の数々の狼藉は、 莉々も聞いてたよな?」 キロ……とお兄ちゃんの 黒縁眼鏡の奥の 涼やかな黒目が あたしを見上げる。 PCやタブレットを 一定時間以上 操作する時の眼鏡は、 お兄ちゃんの目を いつもより 細く鋭く見せていた。 .
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