侵食する執着

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  見え透いた質問に、 恥ずかしさで 死にたいと思った。 黙って首を振ったあたしを、 蛍太はさらに強く 抱きすくめる。 腰に彼のパンツの中の 感触が当たって、 思わず震えた。 「りーり」 弄ぶ蛍太の声は、 実に楽しそうで悔しい。 判ってなさそうな 顔をして、 本当は判っているだなんて…… 根性悪いよ。 「俺に、 こうして欲しいからじゃないの」 言いながら蛍太は ドアの影で スカートの中に 指先を滑り込ませた。 「や、ちが……っ」 「ははあ。 そういうこと言うのー。 ……意地っ張り」 一気に駆け上がった手を 下着の中に遠慮なく 突っ込まれて、 ひっと声を上げてしまう。 完全にあたしの腰を 抱え込んだ蛍太は、 ぐいぐいと自分のも 押し付けてきた。 「こっちは そうだって言ってるよ、 莉々」 「あ……っ、 蛍太、やめ……ッ、 おねが……」 「さっき、 キスしたせいかな…… あったかいのがあふれてる……」 は、と蛍太が溜め息をついた。 その声から 彼の愉悦が消え、 余裕も薄らいでいくのが判る。 .
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