侵食する執着

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  「蛍太、やだ……」 「もう、無理。 ……ドア開いてるから、 声、我慢してね」 「や……ッ」 我慢して、 なんて言いながら。 あたしが思わぬ声を 上げてしまわないように、 蛍太は息を詰めて ゆっくりと挿入ってくる。 やわらかく閉じた ぬめりを蛍太が 押し開いてくるこの瞬間は、 何度味わっても ぞくぞくしてしまう。 「……ッ、あ、ァ……」 「……ッ」 ごとん、と足から パンプスが脱げ落ちる。 その音を卑猥だと 蛍太が笑った。 膝から脛に 舌を這わせながら、 蛍太はゆっくりと 抽挿を繰り返す。 「……っ、莉々、くだらないよ……」 「え……?」 「くだらなくて、 判りやすいよ。 ……急にスカート穿くとか」 「……ッ」 ──自分の中の いやらしい部分を 嘲笑われて、 泣きたくなってくる。 「けー、た」 抑えきれずに はらはらと泣き出すと、 彼はふっと甘い溜め息のような 笑いを落とした。 .
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