寝ても覚めても

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  さらにがっちりと 抱きすくめながら、 蛍太は低く笑って 目尻に口唇を 寄せてくる。 「や……」 「じっとして……」 ぺろ、となんの ためらいもなく 蛍太は涙の痕を 舌でくすぐるように 嘗めた。 「け、けーた……」 「……りりは、 意地っ張りだからなぁ。 怖い夢でも見てたことに してあげるから……」 「ん、んん……」 言いながら、 なぜか蛍太は あたしの下肢に 手を伸ばす。 するすると 下腹を通り過ぎ、 さっき散々責め立てた そこに指を這わせてきた。 「蛍太、ちょっと」 「大丈夫…… 俺はもういいよ…… りりだけ、 したげるね……」 言いながら まだ眠いのか、 蛍太ははふ……と 小さく欠伸をする。 .
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