寝ても覚めても

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  「ちょっと、 そんな態度で やめて……」 蛍太の指がちゅく、と 泥濘に滑り落ちるように 挿入ってきた。 「……こっちも泣いてる……」 「お、じさんみたい…… あ、けーた…… ん、ねえっ」 「26はもう オッサンだよ…… 高校生からしたら」 なんで高校生という たとえが出てくるのか 判らないけど、 今のあたしには 直球過ぎて あちこち痛い。 「あ、けーた…… けーた……やだ……」 「莉々の、それ、 好き…… “けーた”って 甘えるの……」 蛍太の声に、 妖しげな熱が混じる。 息を耳に注がれて、 びくんと腰を 揺らしてしまった。 「……ね、もっと呼んで。 莉々にそう 呼ばれるだけで、 天国にいる気分だ」 「大袈裟、だよ、 けーた…… あっ、ん……」 .
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