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昨夜のように
ぐずぐずにとろけたそこに
また蛍太の憤りを
迎えながら、
もう恥も外聞もなく
のけぞった。
蛍太は眉根を寄せ、
あたしの最奥で
動かなくなる。
「莉々、好きだ……」
「うん……」
「ねえ、好きだよ、
死にそうなほど……
判る」
「わか、る」
「俺のこと、判る……?」
「けーたしか、
わかんな、い」
「……莉々」
蛍太の泣きそうなほどの
溜め息が、
あたしを高める。
恋じゃなくて
いいなんて──
長い間知らん顔してて、
ごめんね。
蛍太が迷った分だけ、
あたしも
切なかったのに。
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