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「だって、朝イチで
この騒ぎだよ。
マスコミが息子のところに
来ないと思う?」
「……あ」
テレビを見ると、
話題は
“Raison d'etre”のことに
なっている。
『息子さんのKE-TAさんは
ご存知だったんでしょうかねー』
『どうなんでしょう。
KE-TAさんは公の場では
おうちのことを
話しませんからね』
『ですねー。
タレントさんならともかく、
彼もアーティストですから、
なかなか』
「わぁ、うっせー。
よけいなお世話だよねー」
眉を寄せながら、
蛍太ははぁと息をついて
あたしの太ももを
また撫で回す。
慌てていた
あたし以上に冷静に
物事を把握していながら、
なぜ蛍太はこんなに
我が道を歩んでいるのか。
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