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「……さあ?」
「そこは、
俺だからとか
甘ったるいこと言ってよ。
判ってないなぁ」
蛍太はあたしの太ももを
撫でながら、
くすくすと笑い出す。
「蟹座だからかも。
蟹座は母性の星座だから」
「母性かー。
莉々の謎の包容力は
それなのかな」
「なに、謎のって」
「だって俺、
もっと責められると
思ってたからさあ。
これまでのこととか」
「自分のしたことを
判ってる人を責めて、
なにかいいことある?
それはもう自分の
鬱憤晴らしでしょ」
普通に自分の考えを
口にしただけなのに、
蛍太は真下から
目をひん剥いて
見上げてくる。
「なあに」
「いや、
ちょっとすごいね、それ」
.
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