猛獣チワワを飼い慣らせ

27/29
前へ
/29ページ
次へ
  「……さあ?」 「そこは、 俺だからとか 甘ったるいこと言ってよ。 判ってないなぁ」 蛍太はあたしの太ももを 撫でながら、 くすくすと笑い出す。 「蟹座だからかも。 蟹座は母性の星座だから」 「母性かー。 莉々の謎の包容力は それなのかな」 「なに、謎のって」 「だって俺、 もっと責められると 思ってたからさあ。 これまでのこととか」 「自分のしたことを 判ってる人を責めて、 なにかいいことある? それはもう自分の 鬱憤晴らしでしょ」 普通に自分の考えを 口にしただけなのに、 蛍太は真下から 目をひん剥いて 見上げてくる。 「なあに」 「いや、 ちょっとすごいね、それ」 .
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

245人が本棚に入れています
本棚に追加