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「そうかな。
蛍太が本当に
なにも判ってなかったら
怒ると思うよ、
さすがに」
「……何回莉々に
女の子のところに
送り迎えさせたか考えると、
こう、心臓が痛い」
「じゃあ、
その罪悪感の分、
あたしのこと
大事にしてくれる?」
「する! するする!」
「……軽いなぁ」
軽くないもん、と
拗ねながら蛍太は
あたしのスカートを
ちょっとだけめくり、
そこに直接口唇を
這わせてくる。
それでいてちっとも
いやらしさを感じないから、
相思相愛の領域というのは
不思議だ。
「ねえ、莉々。
今日来るのいやに
早かったけど、
なにで来たの」
「車回す時間が惜しくて、
タクシーだけど」
「……九鬼さんに
電話しないとだね」
「どうして?」
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