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松崎さんに連れられて、
失礼いたしますと
言ってから面談の部屋に
おずおずと足を踏み入れると、
正面の長テーブルに
座っているのは
意外にも女性ばかりだった。
松崎さんは
「やあ、お待たせしました」
なんて言いながら
真ん中から3番目くらいに
腰を下ろしている。
……けっこう
発言権のある席なのでは。
「“lucieid”所属の──
莉々さんですね。
どうぞ、おかけください」
真ん中に腰掛けている、
バリキャリという感じの
きれいなお姉さんが
にこやかに部屋の中央の
椅子を指し示してくれた。
「はい、
“lucieid”所属の莉々です。
本日は
よろしくお願いいたします。
失礼いたします」
どきどきしながら言い、
彼女がこくんと
頷いてくれたので
スカートの裾を押さえて
腰かけた。
.
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