愚鈍な魔女と無礼紳士

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  「あの現場、 よかったですよねー。 もうあなたとKE-TAさんに 混ざりたくて混ざりたくて。 自分、もういいトシした 大人だったんですけど。 足下うずうずしてました」 「そ、その、 その節は、どうも……! お世話になりました」 「いえいえ。 自分、まだ若手の ヒヨッコで、 莉々さんとは お話できませんでしたし」 今はこうしてサシで お話できてますけど、と 謙虚なことを言いながら、 松崎さんの目が 優しく細められる。 「あの時、 本当に仲良さそうで。 見てる間、 彼氏なのかなって思ってました」 「いえ……」 あれ? ちょっと待って── ということは。 頭の中に、 数週間前の面談が甦る。 “その、 見学に来ていたご友人は、 もしかして お付き合いされていた方です?” .
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