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「それに、
あの頃KE-TAさんとは
お友達だったこと──
撮影後そういう話、
全然聞かなかったですし、
知ってましたけどね」
業界に出入りしてると
色んなお話が
耳に入るので、と
松崎さんは言う。
「だから、
なんかいいですね。
……今も仲良しなんだと聞くと」
「……そうですか?」
お兄ちゃんに
この話を聞かれたら
怒られそうだけど、
ごまかしようもないので
諦めた。
「おまけに、
いい仕事だったなんて聞くと。
自分が主立って
手がけた仕事じゃなくても、
なんか嬉しいもんです」
「そんなふうに
言ってもらえるなんて、
恐縮です……」
松崎さんの手の中で
くるくる回っていた
ボールペンが、
こつんと止まって
定位置に収まる。
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