愚鈍な魔女と無礼紳士

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  朱里さんも驚いたのは 最初の数十秒だけで、 すっかり 絵コンテに納得し、 拓海さんと 頷き合うなどしている。 「ち、ちょっと待って…… みなさん出ること 普通に納得してるんですか?」 思わず口を挟むと、 4人の視線が今度は あたしに注がれる。 うう、アイメイクも ばっちりな目力のある 4人に一気に見られると、 めちゃくちゃ怖い。 お兄ちゃんよくこんなの 流せるな。 「だって、 いったん受けたし。 ああついでに出るのかって、 そんな感じ」 真っ先に 答えてくれた蛍太は、 へろりと言う。 「莉々と同じフレームで 仕事できるなんて 思ってなかったから、 俺は嬉しいけど!」 そうして、 いつものワンコみたいな顔で 笑った。 .
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