愚鈍な魔女と無礼紳士

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  「そうですねー。 ソール化粧品さんの 力次第ですけど」 にこりと微笑む 志緒さんに、 松崎さんの表情が固まる。 「……。 だよね。 全力は尽くすよ。 志緒ちゃん」 「“lucieid”の看板を 5人も使うんですから、 頑張っていただきますよ、 そりゃあ」 「……ハイ」 “lucieid”に来て 仕事をすることが多いとはいえ、 志緒さんは 広告代理店の方だ。 デザイン会社の部長より、 本来の立場としては 強いのかも知れない。 そんな業界の力関係を 思いながら、 この話は自分には 関係ないかな、と うつむいた時だった。 「莉々さーん、 知らん顔しないでよ。 あなたの話じゃないですか」 「え、え?」 情けない声を上げる 松崎さんに、 更に志緒さんが相対する。 .
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