愚鈍な魔女と無礼紳士

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  だって、 あたしの周りには 不満を口に出している 暇があったら、 なにか他に 自分にできることは なかったか、と すぐにそれを探してきては 働く人ばかりだ。 悪態をつく サンプルがあまりない。 ささやかな卑屈や 劣等感を振り切れずに 胸に渦巻かせつつも、 あたしもその影響を たっぷり受けてきた。 その輪から、 外されたくなかったから。 「莉々さんに そう言っていただけたら 頑張れますよ。 しかし、なんで自分がって 思うんですけど」 「……今回、 女性ばかりだからですよね? 男性の松崎さんが 対応した方が 角が立たないから」 「判ってるんだけどね。 満平女史と キャットファイトでも してくださった方が、 話が早い気がして」 .
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