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「んで、
あわよくば別れるとか
選択肢からなくなるくらい
ずぶずぶの関係になりたい」
「わ、別れるとかないよ!」
ずぶずぶ、という
蛍太の言い方が
あまりにも淫靡で
思わず赤くなってしまう。
うつむいたあたしに、
蛍太はくすくすと
笑いながら
顔を寄せてきた。
「……大丈夫。
俺、
うちのお父さんみたいな
男にはならない。
死ぬまで莉々だけだよ」
「こんなとこで、
なに言ってんの」
「こんなとこだからだよ。
仕事場でこんなこと
言われたら、
忘れられないだろ?」
なにもかも判って
言っているらしい蛍太に、
背中の下の方が
ちりちりしてくる。
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