こぼれそうなストロベリー・ソーダ

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  チワワっぽく振る舞う下で ひっそりとうごめく 大人の男性の気配に、 胸の中が かっと熱くなった。 こんな蛍太を、 マネージャー時代には 見たことない。 「……あのね、蛍太」 「うん?」 池上さんには 聞こえていないと 判っていても、 恋人のささやきは どうしても小さく 甘い声になる。 蛍太の低い声に ぞくんとしながら、 一生懸命口を開いた。 「ちょっとは、 手加減してよ」 「手加減? どうして」 「……あたし、 男の人と付き合うの、 蛍太が初めてなのに」 「最初で最後でしょ?」 「そ、そう、だけど」 「いや、 そうでないと困るんだよ。 だから俺以外には 反応できないように しないと」 「もう、 充分そうだって」 .
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