277人が本棚に入れています
本棚に追加
スチールグレーの瞳は、
あたしに応えるように
潤んでいる。
「……あたしだって、
蛍太しか好きじゃないよ。
だから、大丈夫」
「……」
それまで余裕だった
蛍太の顔が、
ぷしゅうと赤くなる。
「……ばか莉々。
この状況でそれ、
すっごく反則だ」
消え入るような声で
そう言うと、
蛍太はあたしの肩に
額を預けて
はああと大きく
溜め息をついた。
.
最初のコメントを投稿しよう!