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今、
あたしの真後ろに
立っているであろう
かのお方をどうしたものか。
そんな満平さんと
松崎さんの思惑が
ひしひしと
テーブルの上から
伝わった。
判っていたようで、
判ってなかった。
緊張感や恐怖感って、
空気感染するものだ。
「さっきは、
どうも失礼しました。
でも、
こんなところで
お会いできるなんて」
テレビと同じ、
朗らかなよく通る声。
親しげに、
語尾が少し
間延びするような
独特の話し方。
たぶん
保坂せつなさんのことを
好きな人は、
すぐに判る。
「いえ……驚きました。
保坂さんもこのお店、
利用されるんですね」
松崎さんはにこやかに
微笑んでいるけれど、
心の中はそうじゃないこと、
同じテーブルに
座っている満平さんと
あたしは判っていた。
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