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白瀬さんは、
はっと顔を上げる。
「……そう、そうなの。
せっかくふたりとも綺麗なのに、
“このCMから
目が離せない”って
感じにならなくて」
「だよね。
俺達の曲にかぶせて、
雨の音も入るんだよね?
ちょっと弱いかなーって」
「そうなの、
映画のワンシーンなら
これでいいんだけど。
KE-TAさん、
いいこと言った。
そう、
足りないのは緊張感だわ」
当然のように
白瀬さんと頷き合う
蛍太を見て、
ぽかんとしてしまった。
蛍太の
ぐりぐりおめめが、
はたとあたしで止まる。
「ん?
どしたの、莉々」
「……いや、ちょっと、
びっくりして」
「なに?
俺がエラソーに
意見するから?」
自覚があるのか、
蛍太は肩を竦めて
へらりと笑った。
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