赤と青の真理

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  ワンピースの裾を なんとなくつまんで 見下ろしながら、 同じ黒でも背景の中に 沈まない黒だと思った。 カラーバランスを 調整した人は 神の目でも 持っている気がする。 「白瀬さーん」 しばらくディスプレイを 眺めていた蛍太が、 顔を上げて 白瀬さんへ足を進めた。 白瀬さんは 眉間に皺を寄せたまま 蛍太を振り返り、 なにやらこしょこしょと 話し始めた彼に 耳を傾ける。 そばに行って いいのかどうか判らなくて、 ディスプレイと なにもないデジタルブルーの スクリーンを見比べた。 バミの位置で CGの街並みのどのあたりに 自分が立つことに なるのかは判る。 でも、 あたし達の動きで このCGを調整する 作業があるはずだ。 .
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