250人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも、KE-TAさん。
それではあまりに……」
「大丈夫だってー。
マネージャーさんにだけ
確認すればさっ」
白瀬さんは困惑の表情で、
蛍太とあたしを
ちらちら見比べる。
嫌な予感しかしない。
「ちょっと、蛍太」
見かねて声をかけると、
蛍太はわざとらしく
白瀬さんの手を握り、
その場から後退る。
「!?」
「大丈夫。莉々、
そこで待ってて。
九鬼さん探してくる!」
「KE-TAさん、あのう」
その仕草に
まったく色気がないから
気にも留めなかったけど、
白瀬さんはさすがに
手を握られたことが
気になるようだった。
当然だ。
CMを撮る
監督さんとはいえ、
白瀬さんは
女性なんだから。
「ダーイジョーブ!
このプラン、完璧!」
「なにが完璧だって……」
「九鬼さーん!
九鬼さん、どこー!」
.
最初のコメントを投稿しよう!