赤と青の真理

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  「赤と青で紫、 ってことでしょうか」 「さすが。 私もそうだと思ってます」 にこりと微笑み、 白瀬さんは シャツの袖を捲る。 「でも、 だったらどうして青い方は……」 あたしが首を傾げると、 白瀬さんは切れ長の目を きゅっと細めて 微笑んだ。 「莉々さん、こちら。 見てください」 白瀬さんは テーブルの反対側に周り、 大きなディスプレイの前で 身を屈める。 カチカチ……と マウスを操作する 白瀬さんの隣に、 あたしも身を寄せた。 ディスプレイには 赤と青のコンパクトが CGになって取り込まれている。 うっすらと 透明になっているのか、 コンパクトは 少しくすんで見えた。 .
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