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「絵コンテの、
製品が登場するカット、
悩んでたんですけど。
遊んでたら
面白いことに
気付いてしまって」
いいですか？ と
白瀬さんは爛々とした目で
あたしを見る。
なにかと思いつつ頷くと、
彼女は青のコンパクトを
クリックし、
そのままずるずると
ドラッグしていく。
ぴたりと赤に
重ねられた瞬間、
思わずあっと声を上げた。
「すごいですよね。
私、絶対ソールさんに
試されてたって思いました」
「……普通気付かないですよ」
──ＣＧ上で重なった
赤と青のコンパクトは、
見事にトルコキキョウを
浮かび上がらせていた。
赤のダミエ柄が
青のトルコキキョウを
半分ほど覆い隠してしまって、
恥ずかしそうに
顔を覗かせているように
見えるのだ。
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