光あるゆえに影あり

11/40
前へ
/40ページ
次へ
  そこに気が回るのは、 単に蛍太が好きだからなのか マネージャー時代の 名残なのか、 両方なのか。 今それを はっきりさせるのは 無粋な気がして、 怒ったふりをもう一度 身体に馴染ませた。 「判ってるよ、 ごめんね莉々。 でも可愛かったよ」 しっかりそれを 付け加える蛍太は、 弱めにふっと微笑む。 あたしが怒っているふりを しているのを 蛍太が見透かしているか どうかは判らない。 でもきっと彼のことだから、 許してもらえるものと 思っているに違いない。 それはことと 次第によるんだけど。 そこへ、 白瀬さんがもう一度 あたしの顔を 覗き込んできた。 「莉々さん、今撮った画、 一緒に確認してみませんか。 きっと、 納得してもらえると思います」 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

256人が本棚に入れています
本棚に追加