第1章

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   30歳の誕生日を目前にして 「結婚するか別れるか、どちらか決めて欲しいの」 そう言ったわたしに、健太郎は別れを選んだ。 どうしてなんだろう。 わたしが健太郎の隣にいるはずだったのに。 どうしてわたしは、あの席から弾き出されてしまったのだろう。 健太郎と別れたのは、もう二年も前の話だ。 その間、わたしはその失恋を引き摺って、今も立ち直れていない。 それなのに、だ。 健太郎はたった二年の間に、別の女性と知り合って、そして結婚まで決めてしまった。
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