第5章

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   週始めの月曜日はいつも憂鬱だ。 けれど、それも出社するまでのこと。 会社に着いてしまえば、流れ作業のように仕事に追われて、一週間が終る。 その繰り返し。 「ショーコさん」 名前を呼ばれて、カタカタとパソコンのキーボードを打つ手が止まる。 「ん、なに?」 顔を上げて美保を見る。 美保は直ぐ傍で、小さなトートーバッグを持って立っていた。 「ランチ行きましょ?」 「え、もうそんな時間?」 あたりを見回せば、みんな席を立ってゾロゾロと事務所を出ていくところだった。 うわ。集中していて全然気付かなかった。 「ちょっと待って」 簡単にデスクを片付けて、バッグを手に席を立った。
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